⑦ちゃんとした人・・社長の後悔
子どもたちもそれぞれ学校や幼稚園に行きはじめ、私もいよいよ社会人やり直しです。何が待ち受けてるのかも知らずに、楽しみでウキウキしていました。
社長は、私がシングルマザーで子供が2人いることも、突然家を出てきてしまったことも、面接で正直に話していたので全部ご存知でした。
少しも隠さず話したのも、ただお馬鹿で何も考えていなかったから(><)
なんたって、面接対策もせずに、採用に不利になることまで洗いざらい正直に話しまくってますからね
それでも採用して下さった社長には、感謝しかない!
しかし、社長はここから大後悔の連続になるのです
採用連絡が来た後、入社に当たり、社長との面談がありました。
その時、社長から「2次面接で赤いシャツを着てきたのはなぜか?」と聞かれました。よほど気になっていたのでしょう。
「服がなかったので、母の服を借りました。」と言ったら、ポケットから高島屋の商品券をサラッと出して「これでスーツを買って来なさい。スーツがないと仕事にならない。」と、渡して下さいました。
なんと優しい・・本当に今更ながら、ありがとうございます。←読んでないと思いますが(笑)
この時に「俺に喧嘩売ってるのか?こいつは挑戦してるのか?と思ったよ。」と社長から聞いて、「滅相もございません!」と大笑いしました。
私はやっとその時に、面接にはスーツを着ていかねば!という事を知るのです。お馬鹿すぎる(泣)
無事にスーツを買って、入社初日を迎えることが出来ました。
スタッフの皆さんにご挨拶をして、秘書室へ案内されました。
社長室の隣に秘書室があり、他のスタッフがいる部屋とは分かれていたので、なんとなく孤立した感じでした。のちにこの孤立は本当の孤立になるともしらずに、
「社長がいらっしゃるまでお待ちください」と言われ、秘書室で一人ぽつんとワクワクしながら待っていました。
しばらくして社長が何やら大量の書類と通帳や印鑑を持って現れました。
今日から、これを全部やってもらう。その時はその書類がなんだか見てもさっぱり分からないものばかりでした。
「通帳も印鑑も全部そっちで管理するように!」と言われ、
へっ?管理って?持って寝るの?どうするの?と、目を白黒させていると、
社長「ちょっと大丈夫かね?」←だいぶ不安げに
私「何が何だか全く分かりません!」←だいぶ偉そうに
社長「とりあえず全部説明するからメモして!」←この時すでに後悔💦
実はこの会社はベンチャー企業で全体で100名近く従業員がいる会社でした。面接対策をしていない私は、秘書だから社長のスケジュール管理とかお茶出しとかやればいいと、安易に考えていたので、会社の規模も知らず、100人もいる会社と聞いて驚きました!えらいこっちゃ~
これまで社長の奥様が経理や給与計算などをされていたようなのですが、急激に事業拡大したことで“ちゃんとした人”を雇って、これらを引き継ごうという事になり、わたしが採用されたという事をその時初めて聞きました。
“ちゃんとした人”・・“ちゃんとした人”・・???どう見てもちゃんとしてないじゃな~い!!どうするの私!ってか、どうするの社長~~~~~
どっか~~ん
ここからはもう茶番でしかありません。社長はおそらく、「なぜ、俺はこいつを採用した~」と悔やんで眠れなかったことと思います。
本当に申し訳ございません。←読んでないと思うけど(笑)